ss0612 鼠
「なにこの電卓!!」
「鼠算ができる電卓新発売!?」
「なにに使うのかしらこんなもの」
「減ってゆく日本人を鼠算式に増やそうとしてるんじゃないのか?」
「ふふふ、そんなばかな」
「でも、本当に鼠が鼠算式に増え続けていたら地球は鼠だらけの筈なんだけど、そうなっていないね」
「そうね、都会には天敵も居ないし、食べ物も豊富に有るのにね」
「何者かが獲って食べているんだよ、きっと」
「でも、都会の飼い猫なんてみんな良い生活してておデブちゃんになっちゃてるし、逆に鼠を恐れているわ」
「地下に鼠帝国があるとか」
「それじゃモグラと変わらないじゃない、そういえばモグラと同じように穴を掘って暮らしているハダカデバネズミっていうのが居るわよ」
「ハダカっていうと、毛が無いのか」
「そうなの、出っ歯だし、足が短いし、うねうね動いてすっごく可愛いの、哺乳類なのに昆虫の蟻のように女王様の下に規則正しい生活をしているのよ」
「それも基本的には鼠算式に増えるのか」
「さあ、わからないけど、毛が無いから食料にする場合は便利なんじゃないかしら」
「そうだな、食糧自給力の無い日本にとっては救世主になるかもな」
「これよ、実はわたし、ペットにしているの」
「ぎゃああああ~」

 ハダカデバネズミは、想像を絶する生きものである。