ss0475 簡素化

 とある、国立農業研究所の実験室にて。
「牛は草を消化するために複数の胃を持っている。いわば、複雑化の進化の頂点だ」
「そうだな、でも、複数にして機能を高めるのとは反対に牛の足の指は二本になっている」
「ええ、物を掴むでもなし、走るでもなしで、ただ踏ん張るだけに簡素化したんですね」
「そうだな、で、我々に与えられた仕事は、その簡素化を遺伝子ゲノムをいじって用途に特化した牛を造ることだ」

「ちんぽだけの種牛を造ることですね」
「そうだ」