ss0459 猫なで声
 放課後、教室。
「ねえ〜ん、せんせぇ〜んお願い〜」
「猫なで声を出したって、単位はやらんぞ」
「いいじゃなぁ〜い」
 女学生は猫のように顔を摺り寄せて来た。
「お前、教師を誘惑するつもりか?」
 少し突き放して若い真面目な教師はそう言った。
「ちっ、てめえには通じねえようだな、毎年こうやって進級してきたのに」
 声が豹変した。女学生は裏番長だったのだ。
「…」
「どうした先公! びびってんじゃねえぞ!」
「ちょっと待ってて…」
 その若い真面目な教師は、あらかじめ傍に置いていた紙袋から…
「女王さまグッズじゃねえか!!」
「うわさは聞いてたの、ねえ〜ん、お願あぁ〜い着けてみてぇ〜」
「単位… くれるんだろうな」
「もちろんん〜ん、はやくボクを攻めてえぇ〜ん」