ss0458 名前
 成長、大きさに従って、名前は変わる事がある。
「相撲取り、役者、武士、貴族… 彼らは子供の時の名前、成人した時の名前、そして先祖から引き継いだ名前って具合に一生のうちに何回も名前が変わる。魚にもそういうのが居るのに、どうして我々庶民は簡単には名前を変えられないようになっているんだ?」
「当たり前だ、殆どの日本人は元々代々百姓で、明治になるまで苗字を名乗れないどころか、あだ名が名前の役割をしてきたんだからな、今だって国の管理のためだけのもので、そう簡単には変えさせてもらえるものじゃない」
「じゃ、成長とは関係なく、人間じゃないものになればいいんだな」
「え?」
「イルカのでかいタイプをクジラ、ワラビーのでかいタイプをカンガルーと分類し、名前が変わるじゃないか、俺、ゼントラーででかいだろ、別の種として分類され、人間の法律が適用されなくなるんじゃ?」
「… だな。で、もう何段階かでかくなれるんだな、きみは」