ss0200 シンプル

 進化の方向性の一つに、シンプルになるというのがある。
「トカゲから進化して、究極にシンプルデザインされたのがヘビだそうだ」
「その逆の典型は、ティラノザウルスだね、ティラノザウルスは恐竜族の末期に完成されて登場した。高度に細分化されたスムーズに動作する骨格を持ち、新陳代謝も究極のシステムを確立していた。ヘビとは正反対の複雑化された究極のデザインだった。そのため急激な環境変化に絶えられずに滅亡したらしいね」
「と、いうことは、次の急激な環境変化に耐えられるのは、爬虫類ではヘビ、鳥類では羽の能力を落としたキュウイとか、哺乳類では無駄な毛や目の能力を落としたハダカデバネズミとかということだろうか」
「人間も複雑化への進化をやめ、進化が止まった生物らしいよ」
「?」
「人間は環境の方を自分たちに合わせるという能力がある」
「ああ、そうだな、そうすると何万年、何億年経ってもこの形のままかもな」
「つまんないね」