ss0149 はみがき

「あ~食った食ったうまかった~ あれ、おまえたちまだなにも箸を付けていないじゃないか、どうしたんだ旨いぞ」
「うん、食べたいんだけど、食べた後はみがきしないといけないだろ、それが面倒で食べるのに踏み出せないでいるんだ」
「あたしもはみがき嫌だわ、それにこの寮、料理以外は全てセルフサービスでしょ、食べた後食器を洗わないといけないじゃない、それも嫌だわ」
「食べたら動きたくないんだ」
「そうだよ」
「そうよ」
「なら、一日中ちょっとづつアメリカ人のようになにかを食べ続けるしかないな、虫歯は唾液が出続けていれば進行しないからな、でも、寝る前ははみがきしないとだめだぞ、唾液が止まるからな」
「あ、それいいね、食器も使い捨てのトレーにすれば解決だ」
「でも、そんなことしてたらあたしたち子供なのに成人病になってしまうわ」
「成人病は成人してから治せばいい」
「どういうこと?」
「この寮には勉強するために入ったんだろ、体のほうは耐えられないかもしれないけど、脳は体とは関係なく四六時中常に大量の糖分を欲しているんだ」
「体裁なんて関係ないってことね」
「これで他のやつらに勝てるぞ!」

「でも… 思春期の補完っていつか、はみがきの補完のように出来るのかしら」