ss0129 赤いポスト

『熊本では厚生省の認可を得て、子供を育てられない親が身元を明かすことなく、県の指定するボックスに捨てに行ってよい事になりました。国は徐々に全国に普及させていくそうです。少子高齢化の解決や、国の言い成りになる人材確保が目的とも囁かれています』
「あの日のビデオね、恐ろしい… あの日を境に、合法的に、容易に、なんでも刷り込める人材が手に入るようになったのよね」
「赤ちゃんポスト初日は、全国から赤ちゃんが殺到したんだったよな、あの日の報道では偽りの人数を出していたけど、あまりに多かったので、名前は付けず整理番号にしたんだった。001、002、003………009… 成長したら人体を強化改造されて、募集しても集まらなかった危険なレスキュー隊員とか軍人とかにされてしまうそうだ、そして未だに名前も付けてもらえずコード番号のままだそうだ…。
 赤ちゃんポストに赤ちゃんが投函される度に、はじめのころはニュースで報じていたけど、全国に設置され、徐々に報じられなくなり、今ではすっかり忘れ去られてしまった… けど、子供を捨てたい親には秘密工作員が巧妙に近づき、捨てるポストの場所や周囲に気付かれない方法を優しく指導している。
 今では要人への臓器提供は勿論、新生児のみにある貴重な万能幹細胞の切開獲得やナチスまがいの人体実験にも使われている」
「当初の計画から、血の… 赤い… 赤いポストだったのね」