ss0097 超高齢化社会

 超高齢化社会の国は尋常ではない。
 信号はゆっくり歩く老人に合わせ、青が凄まじく長い。
 バスや電車の座席も従来のシルバーシートと普通の座席の数がそっくり反転している。
 病院は健康ランド化し、おしゃべりの場となっている。
 町内アナウンスは常に最大ボリュームで凄まじい。
 同じ言葉を何万回もくり返すのが基本だ。
 新聞の活字が巨大になっている。
 朝が早く夜の街は真っ暗だ。
 雑貨屋には必ず杖が売っている。
 街全体が茶色い。
 超高齢化社会の国は尋常ではない。