ss0091 眠り姫

 みんな自分のことを美女だと思っている。
「人によって寿命は違うけど、忙しくて睡眠時間が短い人は普通の人よりも長く生きた事になるのかしら?」
「そうね、でもそういう人はやはり体を酷使しているから、年齢的には平均よりも短い年齢で死ぬケースが多いようよ、一つの時代だけしか知らずに一生を終えてしまう」
「そうかもね、そういえば裕福で適度に運動してよく寝る人は長生きしているわね、そういう人は相対的には忙しい人と同じくらいの起きている時間があって、しかも時代の流れを感じる事ができるんだわ。ゆっくり未来の世界を楽しみながら旅行しているといった感じね」
「そうね、超うらやましいわ。じゃ、より睡眠時間を多くして、寝ている時間は冬眠動物みたいに極限まで新陳代謝をおさえれば、かなり長く生きる事ができるようになって、そうとう先の未来を楽しめるようになるのじゃないかしら」
「面白そうね、試してみましょうか」
「ええ、遺伝子資源局に行って冬眠する動物の遺伝子を注入結合してもらいましょう」
 こうしてみんな眠り姫となった。
 起こしてくれる王子様も居ないのに…