ss0037 インセプト

「地球は虫の惑星と云われるくらい、種類と数が他と比べ圧倒的に多い」
「人類が地球の覇者って訳じゃないんだよね」
「うん、しかし人間程の大きな哺乳類がこんなに多く広範囲に蔓延っているというのは、その点から見れば覇者と云ってもおかしくない」
「でもやっぱり虫の方がしたたかで、至る処で強靭な生活能力を発揮しているよね。クマムシなんか温度差が激しく水や空気のない宇宙でも生きられて、そして最悪の環境になれば何十年でも仮死状態でいられるよ」
「そうだな、クマムシは凄すぎだよ。ウイルスや細菌と違ってちゃんと自立して生きているというのも凄い」
「そう考えると地球は特殊で、宇宙人ってのはみんな昆虫タイプなんじゃないかな」
「そうかも知れないね。平均的な宇宙人にとってみれば、人間なんかは血を吸ったり住み付いたりするだけの存在だったりして」
「宇宙人が円盤に乗って地球に来たとしても、そして、住み付いたとしても、人間は気付かないかも知れないな…」