ss0024 美しい食べ物

 生物は、自分以外の生物を食べて生きてゆく。
「栄養の有る物は、おいしい。腐った物はまずい」
「そうね、あと、美しいものもおいしいはずよ、目で楽しみながらちょっとづつ食べるのがまたおいしいのよ」
「食べられる方はどうなんだろ? ちょっとづつ、自分より上位の肉体の一部に吸収されていくのって、気持ち良いのかな」
「ばか」
「…ま、今も昔もどこでも、生物は食べるか食べられるかの二つの選択肢しかない」
「地球以外の星にも生物がいたら、同じなのかしら」
「そうだよ」
『ガブリッ!』
「うっ まずっ
 こいつダイエットで骨と皮ばかりだ、
 そのうえ便秘で体重の半分がうんこじゃねえか! ぺっぺっ
 なにが美しいものもおいしいだ」
「痛い! 痛い! 痛い! 強烈に本当に痛いわ!!
あっあたしの一部をほきださないで! このままあたしを捨てて行かないで!!」