ss0016 ケルト人

 あの人面カボチャで有名なハロウィンを、神聖な儀式としておこなっていたケルトの純潔種は、今はイギリスのウェールズの片田舎に… 隔離されている。
「俺、RH-のしかもAB型なんだ」
「そりゃたいへんだ、珍しい血液だから怪我とかできないね」
「そうなんだよ、ローマ帝国時代の地方豪族のケルト人は全てRH-の血液の持ち主だったから、俺の祖先の誰かがケルト人だったのかも知れない」
「血液っていうのは遺伝子の表現形の一つでしかないから、そのケルトの遺伝子はかなり我々とは違うんだろうね」
「だろうな、ケルト人と結婚しても子供が出来にくいし、かろうじて子供が出来ても赤血球の血液型だけではなく、白血球や血小板など他の血液物質の血液型まで異質なものが多く、重症の妊娠中毒になるのは確実で、現代医療に頼らない自然分娩はもはや不可能なんだよな」
「って、もしかして我々を中心に考えると彼らは、亜種とか別の種になりかけているってこと?」
「近代に再発見されるまで、ずっと孤立して生活してきたからね」
「じゃ、ケルト人以外にも亜種とかになりかけている民族とか居るのかな」
「居るよ、現代の覇者アメリカを影で操り続けているあの秘密結社のやつらさ」