ss0006 ペットの神様
そこに醜い動物が来た。
「おまえか? ペットになって楽な暮らしがしたいとか言って弟子入りに来た奴は」
「はい、皆様のようになりたいのです」
そこにはペットの代表とも云える、犬、猫、小鳥、兎、鼠がいた。
「甘い、そんな容姿では、どんなに飼い主に媚びようとも、すぐに捨てられる」
「アハハハハハハハ だからペットそのものになれないのよ、そんな醜い姿じゃね」
「帰れ帰れ! 土台の悪い者にいくらペット道を説いても時間の無駄じゃ」
「そこをなんとか…」
「ええいくどい! だめなやつはだめなんじゃ」
その動物は醜いだけではなく、にくたらしい感じを与える奴だったので、いきなり皆に袋叩きにされた。
だが、その打ち所、あざの出来具合が…
「ああっ あなた様はペットの神様…」
「おおっ そうだペットの神様だ!!」
「神様! ご無礼をお許しください」
殴られて、全身痛いのだが、なんとか池までゆき水面に写る自分の姿を見た。
「パンダ?」
目の周りの黒いあざ、耳や体に付着した黒土がペットの神様に仕立てていた。