Metasequoia4の機能でMikuMikuDanceのモデルデータを作る本やサイトは既にあるので、ここではMMD、MikuMikuDanceのモデルを作る上での補助注意を書いていこうと思います。ある程度モデルデータを作り慣れた人向けの話になり、事実上私自身へのメモ書き散文となります。2つのサンプルモデルデータを主に使い解説していきます。2つ以外も全て素体ですのでPMX出力済みのサンプルモデル以外は全て改造再配布自由です(xsmの段階ならOK)。mqoz・mqo-mqx・xsmを改造して気楽に自分のキャラクターを作りましょう。初心者には anchorman.mqoz がお勧めです。
Ver4.7からmqozになり、FBX/PMD/glTFの入出力の互換性が向上しました。Ver4.6系までとはボーン構造が違うため、mqo-mqxタイプとは互換性がありません。作り直しが一番の近道です。【Ver4.7.3から準標準ボーンにも対応】
サンプルモデルのhito.mqozは[左右を分離した鏡面]で作りました。[左右を分離した鏡面]で作ったモデルをMMDでヤンキー座りさせると、下図のように股間に逆さまのモヒカンができてしまう事があります。
中央の頂点を左右の足と下半身の3ウェイトが奪い合うからです。3ウェイトを共有できるボーン影響制限3にMMDが対応すれば問題ないのですが、MMDやゲーム用にはボーン影響制限2で作らねばならないので、下図のように片足だけを中央と共有するように作らねばなりません。(PMXのBDEF4は汎用性が低いし、同じくボーン影響制限4のQDEFは・・・)
両足共に中央を外すとヤンキー座りで股間に逆さまのモヒカンができてしまいます。サンプルモデルのhito.mqozはMetasequoia上でモヒカンの出ないボーン影響制限3で作りましたので、PMD出力したり、Metasequoia上でボーン影響制限2にすると片足だけが中央と共有するよう変化しますので違いをお試しください。
モヒカンを回避する一番良い方法は、中央に頂点を作らない事です。[左右を接続した鏡面]でモデルを作ると良い事になります。サンプルモデルのningen.mqozは[左右を接続した鏡面]で作り、ボーン影響制限2で作りました。
PMXのSDEFと似たように曲がるQDEFデュアルクォータニオンですが、最近の主流ですがMMDはこれにも対応していません。これもMetasequoia上だけの動作になります。
デュアルクォータニオンでMetasequoia上でも、ボーン影響制限3でも、足を左右同時に開くと股間がもっこりする事があります。これも[左右を接続した鏡面]でモデルを作ると良い事になります。
[左右を分離した鏡面]で作ったモデルにマッピングをすると、下図のようにMMDで中央に線が出ることがあります。色ムラになる事もあります。これを消すには法線の修正など、面倒な作業がありますので、これも[左右を接続した鏡面]でモデルを作ると良い事になります。
①~③を読むと[左右を接続した鏡面]でMMDモデルを作ると良いという事がわかると思います。[左右を分離した鏡面]でもう一つ、普通のモデリングで時々中央の頂点X=0が0.00006程度ズレてしまい、累積してゆき、曲面OpenSubdivなどで中央が破綻したりします。MMDモデルに限らず特別なモデリングでもない限り[左右を接続した鏡面]でモデルを作ると良いでしょう。
MetasequoiaVer3.1.6~Ver4.5.5の作業画面の下図aからPMD出力して四角ポリゴンが三角ポリゴンになると・・・。Metasequoia3の時、xismoの作者が作ったPMD出力プラグインでは、下図cのようにMetasequoiaの作業画面のラインの無い内部三角ポリゴンと同じ方向に対角割れしてくれました。これを頼りに四角ポリゴンを貼る時点で対角方向を自在にコントロールできて凹んだ面を作らずに済んでいたのです。
しかしMetasequoiaVer4.5.5のPMD出力では、作業画面に映る内部三角ポリゴンを無視して下図bのように短辺寄り(見た目)にランダムに対角割れしてしまいます。左右非対称に割れる事もあります。Ver4.5.6で四角形面の三角形分割の改善が行われ、作業画面と出力がようやく同じになり、ランダム割れしなくなり、左右対象に割れるようになりましたが、よりいっそう短辺(見た目)で割れるようになったため、結果は殆ど変わらずやはり同じく顔など、がたがたになります。ローポリ、ミドルポリの場合は極力ポリゴンを少なく軽くさせるために、誰が作っても長辺(見た目)で割るのが良いような四角ポリゴンが多くなるので注意が必要です。
Ver4.5.6以降でも[左右を接続した鏡面]で作ったモデルの中央列ポリゴンの三角割れ方向を統一させる事も、MMDで動作させる時破綻しやすい肩周りや指周りの三角割れ方向の決定も、四角ポリゴンモデリングの時にコントロールする事ができません。
割らせたい方向にコントロールできないので対処は、面倒ですがPMD出力前に凹んだ面を作らせないように三角割りしてしまうか、ポリゴン数を無駄に増やすという事をしなければなりません。
しかし凸凹の面も考えようで、下図のように手描き調で味のあるマンガアニメ向けシェーディングと組み合わせて使うと良い結果になる事もあります。
MorphBaseという名称で顔などの基本モーフを作り、それを必要数複製して子オブジェクトにして、頂点を動かしてモーフィング設定しますが、子オブジェクトを作らずに同じ階層でモーフィング設定したい時もあります。そのような時忘れがちですが、必ず以前設定したモーフィング設定はクリアしないとなりません。そうしないと次の設定が進まない場合があります。
今回提供したサンプルモデルの手には、親指0だけでなく他の指にも0ボーンがあります。グーやチョキを容易に違和感無く作れるようにするためです。下図のように0ボーンを動かした時、指がちゃんと個々に離れて、回転・移動ができるような面を作って下さい。
手のウェイト塗りも股間同様ボーン影響制限2で塗らないとならないので苦労するところです。実は手のほうが難しいです。ボーン影響制限3ならばかなり頂点もポリゴンも減らせられて、その上、手の形状の追求のみで自由にモデリングできるのですが・・・2つのサンプルモデルの手はその違いの象徴のような構造になっていますので形状やウェイト塗り具合を参考にしてください。ボーン影響制限3の手も一応ボーン影響制限2に変換されても問題ないような塗りにしたつもりですが・・・
構造によっては上半身と肩と腕の3ウェイトが奪い合う【肩】も【手】と同じくらい難しいです。
MMDモデルの多くは白目固定で黒目が動くように作られています。この場合どうしても目のボーンが外斜視になってしまい扱い難くなります(横目で黒目が飛び出るモデルもある)。お勧めはやはり普通に眼球タイプです。
MMDモデルの材質はもちろんPMD(HLSL)を使います。他ソフトとは違い、周囲光の色設定を色々操作するのが通で、MMDでの見た目が全てです。基本は設定した色と同じにして明るさだけを変える事ですが、周囲光全体を設定した色の補色に近い色にしたり、同系色にしたりすると深みが増す場合もあります。
Ver4.6系で、ここをボーンにしたまま連動したボーンを組んでいくと後でやっかいな事になります。根元基準ボーンはVer4.5Beta2までの過去の仕様です。ノードにしてください。ノードにすれば連動してくれます。モードはPMD向け。
Ver4.5.6からの閉領域アンカーでのウェイト付けですが、精度がまだまだのようです。お腹や肩の破綻が著しいです。従来のペイント塗りウェイトと併用しないと作品になりません。同じくアンカータイプならVer3.1.6のプラグインで作った方がそのまま作品になります。両方ともPMDなので痩せて曲がるのは仕方ありませんが、下図のようにえぐれたように曲がるのはちょっとと思います。アンカーの形・大きさ・範囲を変えてもだめでした。
閉領域アンカーはボーンを編集すると追従して変化します。ボーンのみ編集したい場合はアンカーをエクスポートして保存しておき、ボーンの編集が終わってからインポートします。
PMDデータは必ずVer4.5.7以降で出力しましょう。MMDが落ちなくなっています。Ver4.5.6までのバージョンで作ったモデルはMMDで出し入れを1~2回するだけでMMDが落ちてましたがVer4.5.7で解消されています。
PMDデータの検証と付加価値追加はMikuMikuDanceVer7.39.とPMDEditorVer0.1.0.0をここではお勧めします。検証と付加価値追加以外では最新版をお使いください。
股間・手・肩・捩・痩曲、及び商用利用の問題はメタセコイア側ではなく、MMDがPMX形式ではなく、PMD形式でBDEFと相性の良い、QDEFデュアルクォータニオンを追加するだけで一気に全て解決します。MMDの対応に期待です。QDEFは間接を曲げると太くなり過ぎる事がありますが、BDEFとのブレンドで解決できます。
xismoが191でMetasequoia4(4.6系まで)に対応したので番外として補助注意メモを追加します。こちらも私自身へのメモで、一層の散文ですがお付き合いください。
MMD添付のモデルは、MMD配下のDataホルダ内のtoon01.bmp~toon10.bmpの基本トゥーンマップに依存していないようで、Dataホルダを削除しても設定した基本トゥーンマップが正常に表示されます。依存するように設置してあるのだそうですが、Dataホルダの無いMikuMikuMovingでも設定した基本トゥーンマップが正常に表示されます。Metasequoia4とPmxEditorは項目選択するだけでMMD添付のモデルと同じように基本トゥーンマップの連携が不要になりますが、xismoは汎用性のソフトという事で、基本トゥーンマップを自前で用意して設定し、通常の眼などのテクスチャと一緒に保持連携する必要があります。又はDataホルダにパスを通し依存する必要があります。材質設定だけでテクスチャを添付しないようなモデル(ロボットなど)では注意が必要です。
Metasequoia4のMMDモデルインポートは基本トゥーンマップが有効のままなので楽なのですが、xismo2のMMDモデルインポートは陰影がフラットになって基本トゥーンマップが無効になってしまいます。光沢飴色になる事もあります。それからインポートされた頂点が分離されてしまっていて、全選択して[同一座標の頂点を結合]をしなければなりません。対応する準標準ボーンもMetasequoia4より少なく正常にインポートできない事が多々あります[腕捩れボーン・手捩れボーン・IK系など]インポートできてもMetasequoia4のようにすぐ使えるわけではなくセットアップウインドウでセットアップ作業をしなければなりません。xismo3のMMDモデルインポートに期待です。
MMDに組まれているSDEF対応機能はxismoの作者がkeynoteを配布していた当時にMMDに提供したものです。Blender、PmxEditor等でも簡易的にSDEFを後付する事は可能ですがお勧めしません。SDEF-PMXモデルはxismo、keynoteから出力するものであるからです。しかもkeynoteの時から再調整され、より綺麗に動作するようになりましたので、keynoteは卒業してxismoに移る事をお勧めします。
SDEFのウェイト塗りはBDEFと同じく、ボーン影響制限2で塗らないとなりませんが、xismoでは90と25で115など合計101以上でもエラーが出ずに設定され、SDEFフラグを入れなければ歪みの無いテクスチャで正常にPMXエクスポートできますが、ウェイト合計101以上の部分は、SDEFフラグを入れるとテクスチャが歪みます。PMXエクスポートしたら自動で歪みが直ると思っていましたが、違うようです。SDEFフラグはウェイト合計100を遵守しないとなりません。
xismo配下のtranslationsホルダ内のpmx.csvですが【右つま先IK,toe IK_L】の最後を【R】に直す必要があります。
xismo199bまでは操作軸の出力がMMDと違い修正に苦労していましたが、操作軸変換の出力項目が増え解決されました。それによりPMXで推奨されいていない[表示先のボーン指定][~先ボーン]についても悩まなくて済むようになりました。
私はローポリモデラーなので四角ポリゴンの三角割り方向を[面の頂点順序を回転]などで部位ごとに細かく自分でコントロールできるxismoの方が嬉しいのですが、現在の主流はポリゴン毎に方向を指示するのが大変なハイポリなのでストレスのない方向に自動で処理してくれるMetasequoia4の方が正解でしょう。他の人のxismoで作ったバラバラな三角割りになっているハイポリモデルを見ると作り込んでるだけに残念に思います。
あら、バラバラな三角割りでローポリでSDEF入れないと、MMD動作で不要なエッジや皺が出ますね。テクスチャの歪みも・・・自分で三角割り方向をコントロールしないならローポリもMetasequoia4の方が正解ですね(ちょっと凸凹我慢して)まあ、でも、コントロールというか、こういう時にこそ、AIの出番ですよね。